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zoom RSS 『中村崇お洒落計画』

<<   作成日時 : 2010/04/21 11:58   >>

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「ここが新宿か・・・」

JR新宿駅、駅構内。

目が泳ぐ。
鼻息が荒い。
脇から冷たい汗が流れる。
僕はしどろもどろでエミ君の後ろをついていく。

ここは新宿。
いつもの新宿。
来慣れた新宿。
何も緊張するこたぁない。
何度もこの街には来ている。
何を緊張している。
たかが新宿。
もう何度も来てる街じゃあないの。
それでも僕は緊張する。
小心者の心臓はよく鳴る、泣く、叫ぶ。
今日の僕はまるでおのぼりさん。
見るもの全てが新鮮に見える。
「新宿って新しい宿なんだなあ」
とかなんとか。
角度を変えれば、見慣れた街も違って見える。
今日はそんなお話。
そんなお話なんで。

***********

「それでは。中村崇お洒落計画を発動します」

ここ最近、僕の周りには色々と変化がある。
まあそれはいずれ書くとして、かくかくしかじか宣材写真を撮ることになった。
宣材写真ってのは「これが中村崇ですよー」という名刺代わりの写真で。
よってそれ相応の服がいる。
ダルダルの服じゃあどうしようもない。
でも僕はそれ相応の服ってのを持っていない。
だから先日「中村崇お洒落計画」を発令した。
「・・・新宿だあ」
そんで今、僕は新宿にきている。
「タカシ君、まずは伊勢丹にいこうか」
僕の隣にはエミ君、そしてエミ君の助手・南さんがいる。

<エミ君=恵美秀彦。「emir heart」の代表兼デザイナー。舞台衣装もやっており、去年8月の「CONTINUE」、今年3月の「遠ざかるネバーランド」でお世話になった衣装さんなんである>
画像「←UltimateGame:CONTINUE」画像「空想組曲:遠ざかるネバーランド↓」




















***********

数日前、僕はお洒落になることに決めた。
ただ、残念ながら僕にはセンスというものがない。
だから僕は彼に電話した。
「ねぇ、ちょっと俺のお洒落隊長になってくれないかね?」
彼は二つ返事で答える。
「いいよー♪」
とかなんとか。
今、僕らは新宿に立っている。
こうしてこの計画は動き出す。

***********

「じゃあまずは伊勢丹にいこうか」
そう言うと、エミ君は新宿駅東口へ向かって歩き出した。
僕はただ後ろをついていくしか出来ない。
緊張している。
平静を装ってみても、脇汗が止まらない。
「伊勢丹ってお惣菜売ってるとこじゃないんだ・・・」
ISETANに入ると、汗はますます激しく流れ始めた。
どうすればいいのか分からない。
僕はブランドショップでどう立ち振る舞えばいいのかが分からない。
一方、エミ君と南さんは慣れた手つきで次から次へと流れるように選んでいる。
申し訳ない。
俺の服を選びに来てるのに、俺がこんなぼけーっとしていていいのか。
「・・お、俺だって・・・」
唾を飲み込むと、「俺だって」と洒落た服に近づいてみる。
と、店員さんも近づいてくる。
ダメだ。
「良かったら試着してみてくださいねー」
「・・ぁ、はぁ」
開始数秒、もうダメだ。
息が詰まる。
早くココから出たい。
早くココから逃げ出したい。
でも俺の服をみんな選んでくれているんだ。
店員さんから逃げるように、この場から逃げないように、僕は店内を行ったり来たりとうろつき始めた。

***********

「タカシ君こっち来てー」
やがてエミ君の声がした。
「へい!」
僕は勢いよく彼の元へ向かう。
「・・・おお、すげー」
そこにはコーディネイトされた服が人の形に並べられていた。
彼の選んだ服はまさに「お洒落」だった。
このお洒落、俺が着るのか・・着ていいのか。
気後れしてしまうようなお洒落だった。
しかし試着室に入ると、意外な展開が待っていた。
ときめいていた。
僕はときめいていた。
乙女のように服を脱ぎ始める。
僕は今、ドキドキしている。
僕は今、恋をしている。
「お洒落」って、「お洒落」って、楽しいんだ。
僕はしばらく、パンツ一丁で「お洒落」と対面した。
それから憧れのあの娘に触れるようそっと「お洒落」に手を伸ばす。
「・・・・・」
でも着方がわからない。
俺ぁママの化粧で遊ぶ子供か、なんだかしっちゃかめっちゃかである。
この服はどうやって着るんだ。
この服の袖はどこだ。
大人になった星の王子様のような形のこの服、どう着れば正解なんだ。

それから5分。
なんとか一人で着替え終えると、僕はそろーっとカーテンを開いた。
そして二人に訊いてみる。
「・・・ど、どうかな?」
「・・おお!タカシ君、格好良い!」
エミ君が嬉しそうに言った。
「タカシさん、素敵じゃないですかー!」
南さんがそう続いた。
そして「俺もそう思うー!!」僕もそう続けた。
格好よかった。
これがまた、なかなかどうして、すげー格好よかった。
僕の体型、顔、雰囲気にぴったりとフィットしている。
「・・これが、私?  綺麗。」
そんな感じなんである。
個性的なTシャツ、個性的なジャケット、個性的なストールにパンツ、そして靴。
それぞれ個性的なのに、なんでこう格好よくまとまっているのか。
なんで僕にジャストフィットしているのか。
これも一重にエミ君のセンスなんである。
改めてスタイリストさんってのはすごい職業で。
ということで僕の腹は決まった。
このあと原宿、渋谷と回る予定ではあったけれど、一軒目で決めてしまって申し訳ないけれど、僕はもうこの服に決めた。
「この服、欲しい!」
素直にそう思った。
「全部でいくらだろう?」
いくらでもいい。
いやむしろこんなにお洒落なのだ。
多少の額はいってもらわないと困る。
僕はジャラジャラと垂れた値札を読み上げていく。
それを南さんが計算していく。
やがて南さんがぽつりと言った。
「・・・17万」

***********

それから原宿、渋谷と回り続けた。
途中、「どんな感じだい」と空想組曲のほさかくんが合流した。
ほさかくんは「君はもっと服に気を使いなさい」と僕のセンスのなさを危惧していた一人だ。
そんな彼に対していつもは「まあいいじゃないの」とかわしてきたけれど、「今に見とけよー」、今日はそんな面持ちなんである。
僕は今日、お洒落になる。

どの店に入っても、エミ君の選ぶコーディネートはお洒落で素晴らしかった。
気になる値段も「まあ!」と叫びたくなるような高値のものから、「あら!」と撫でたくなるような安値のものまで色々なものを候補として出してくれた。
都合10軒近くの店を回っただろうか。
今度こそ腹は決まった。
「よし、さっき行った店のヤツにする!」
やがて僕は渋谷で寄った店で買うことに決めた。
あれなら奇抜すぎず、地味すぎず、高すぎず、安すぎず、初心者にはもってこいのコーディネイトだ。
気がつけば時間はもう9時。
結構な時間、みんなを連れまわしてしまった。
「・・エミ君も南さんもほさかくんも本当ありがとうね」
店に向かう途中、僕は三人に感謝の気持ちを伝えた。
ましてやエミ君は明後日の撮影まで付き合ってくれるという。
なんて手のかかる子だろう。
本当、ありがとう。
僕一人だったらどうなっていたことか。
きっと家から徒歩数分のユニクロで全身固めていたことだ。
それで「ユニクロって意外とお洒落だよねー」とか言ってたんだ。
よかった。
今日、全てが揃って本当ほっと一息なんである。
さあ、お洒落を買いに行こう。

***********

店はもう閉まっていた。

***********

こうして次の日、僕は「お洒落」になった。
こうして「中村崇お洒落計画」は幕を閉じる。
でも二幕があくのはきっと時間の問題だろう。
だって明日着るお洒落が僕にはないんだから。
次は「中村崇毎日お洒落計画」を発令しよう。
そう思うよ。

画像
画像

<撮影現場にてエミ君にストールを巻いてもらう、の図>

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コメント(1件)

内 容 ニックネーム/日時
お洒落計画、おもしろかったです!

カーテンをそろーっと開ける所とかどきどきしますね。

あれっ?案外似合うじゃないってありますよね。違う自分発見みたいな感じですかね。

毎日お洒落計画も読んでみたいです。また、書いてくださいね!
革命家
2010/05/30 16:47

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